ノッツログ。有限会社ノッツの業務日誌のはず。


手塚先生サインください!


当時、私の本棚は手塚治虫で溢れかえり
納まりきらずに手前と奥の2層になっていた。
上京のおり
段ボールに詰め、離れの倉庫にしまったのだが
虫に食われたとかですべて捨てられることとなる。

↑帰郷のときに持ってきた「どろろ」

さて
前回(手塚プロでモーニングを頂く)のつづき

手塚先生が入ってくると
和やかだった室内は一気に緊張感で包まれ
世間知らずな私でもそれを感じ取るほどだった。

いま、まさに憧れの手塚先生がすぐ目の前にいるというのに
まわりの空気と自分の緊張とで、私は立ちつくしたままで

「サインください」

このひと言が、出なかった。

↑当時のメモ書き

先生が退室後
気の毒に思ったのだろう
あれやこれやとおみやげをもらう。

現在。
私が歳をとったのか
そういう時代なのか

それほどの憧れの人物というのが思い当たらない。
たぶんそういう人にあっても
簡単に写メを撮って握手を求め、サインを求めるだろう。

夢中になれる人が居た。
私は幸せもんだと思う。

しまった
自分に酔ってしまった。


“手塚先生サインください!” への3件のフィードバック

  1. コバヤシのアバター
    コバヤシ

    完結おめでとうございます。
    そうだ!幸せものなのだ。
    人は皆、良い思い出に浸るときは幸せなのだ。
    でも、あの時少し違う方向に踏み出していたらと
    考えると、甘酸っぱいものとなるのだ。ふむ。
    僕の思いも、ひと時昭和に飛びました。

  2. 村林剛蔵のアバター
    村林剛蔵

    あの当時の高田馬場にそんな秘話があったとは。大変興味深く読ませていただきました。
    村林も昭和に一瞬もどりました。

  3. hohotaのアバター
    hohota

    コバヤシさん、村林さん
    Back to the 昭和 ありがとーです。
    次の元号を迎えるときは
    さすがに私たちは老人ですかね。
    元号4つぐらい楽々またいでやりましょー。

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